名古屋城、岡崎城、荒れた清洲城址、木曽川の崖の上に建つ犬山城、遠くに見える岐阜城。
「向かいの山は伊木山っていうんだ」「あら詳しいのね」。
小折交差点を左折すると現れる保育園。「昔ここに生駒屋敷があって織田信忠、織田信雄、
徳姫が生まれたんだ」「誰それ?・・・わからへん」。
「じゃ帰りにサテンでレーコーに小倉トーストでも食べましょう」。
檀溪通りの輸入レコード店。「カーペンターズのホライズンは入荷してますか?」
天ぷらにはウスターソース。「東京では天ぷらに醤油をかける人が多いよ」
「えっうそー!!・・・天ぷらにはソースだがね」。
夏は軽自動車を連ねて仲間と伊良湖岬までドライブ。白い灯台、輝く白砂、煌めく青春。
「COOPのカセットにビートルズを録音してあるからカーステレオに入れていい?・・・
えっ郷ひろみは持ってないなあ・・・太田裕美じゃダメ?」。
春は花見を兼ねて明治村を散策。「足が痛いでいかん」「じゃあ何か食べましょうか」。
秋は中央高速に乗って明智町までドライブ。「古い町並みね」「うん大正浪漫だな」。
「奇岩公園に行った恋人は分かれるんだって」「ウソばっか!!」。
ああ青春のページェント・・・
今は無きお堀の中を走る名鉄電車。名鉄特急に乗るとあっという間に通り過ぎる桶狭間駅。
でも密集する住宅地の中から織田信長の鬨の声がかすかに聞こえた気が・・・
ほんの小さな石碑だけが残る前田利家の生まれた荒子城址。
ごみ置き場みたいな小さな土地にポツンと残る蜂須賀小六の屋敷跡を示す石碑。
木下藤吉郎は中村区の太閤通りに名を残すのみ。
ああ大好きな愛知県・・・ほろ苦い青春。
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